日記

森島日記6

11月11日(月)

今日は休みです。

どこへも行かない日にしようと決めていました。

今日は起きられなかったのではありません。

予定通り出かけなかったのです。

だから早起きする必要は無かったのですが、三宅さんと一緒に朝食を食べるために6時に起きました。

まだ三宅さんが来たばかりなのに、あと何回一緒に食事出来るんだろうと考えてしまいます。

仕事に行く三宅さんを見送って、映画を2本観ました。

2本目の映画を観て泣きました。

私が映画を観て泣くなんて、かなり珍しいです。

今日観たのは犬が出てくる映画だったから泣けましたが、感動して泣くということがあまり無いです。

他の感情に関しても、私はリアクションが薄いです。

ですが、嬉しいときは嬉しそうに、楽しいときは楽しそうに、悲しいときは悲しそうにしないと相手には伝わりません。

そうできる人が羨ましいし、そう出来るようになりたいのですが、なかなか難しいです。

今までずっとやってきた、自分にとっての当たり前を変えるのは難しいのです。

実家の犬。映画を観て、思い出して会いたくなりました。

11月12日(火)

今日の夜はポンタでバイトがありました。

藤尾さんと三宅さんがごはんを食べに来てくれました。

二人がポンタに来ていた初対面のお客さんとも楽しそうに話していて、私も嬉しくなりました。

海士では初対面でも気さくに話しかけてくれる人が多いです。

私もバイトをしているときに「どこから来たの?」とよく話しかけてもらいます。

優しいお客さんが多いので、バイトをしていても疲れたと感じず、楽しめています。

その後はスナックへ行きました。

そして、帰ってから今日もまた藤尾さんと飲み直しました。

最初は外で飲んで帰って来て、シェアハウスでまた飲み直す藤尾さんに衝撃を受けました。

ですが、こんな時間もあと数日しかないと思うと寂しいし、いくらでも飲み直したい気分になります。

楽しい時間のはずなのに、そんなことを考えていると悲しくなります。

お酒を飲みながら話して、話が噛み合わなくなって、眠くなって、今日も共有スペースで寝てしまいました。

スナックへ行く途中にいた虫。何の虫でしょう。

11月13日(水)

今日は休みです。

とりあえず6時に起きて、仕事へ行く藤尾さんと三宅さんを見送りました。

二人が出て行ってすぐ、藤尾さんから財布を忘れたと連絡がありました。

その後、洗面所で腕時計、キッチンで水筒を発見しました。

全て藤尾さんの忘れ物です。

忘れ物フィーバーです。

夕方、仕事終わりの二人と合流する予定だったので、そのときに私が持って行くことになりました。

実家から荷物が届きました。

毛布や冬物の服などいろいろ頼んだので、大きい段ボールで届くだろうなと思っていましたが、意外と小さかったです。

箱のサイズから、必要最低限のものを詰め込んだのだろうと予想していました。

でも、しっかり頼んでいないものまで入れてくれてありました。

私の母はそういう人です。

心配し過ぎなくらい私のことを心配してくれます。

私は、もう21歳なんだから自分で出来るよ!と思っているのですが、両親曰く、親にとって子どもはいつまでも子どもだそうです。

早く大人になりたいです。

夕方、バスに乗って藤尾さん、三宅さんと合流しました。

私は藤尾さんの忘れ物を忘れました。

11月14日(木)

今日も休みです。

珍しく出かけました。

出かけっぱなしでした。

朝からMGへ行って、お客さんと話していました。

カメラを持って行ったら、隣に座ったお客さんがそれを見て話しかけてくれました。

そのお客さんも昔から写真を撮っているそうで、自分のカメラも見せてくれました。

海士に来てから毎日写真を撮るように意識しているのですが、私はまだカメラを持ち歩くことに慣れていません。

荷物になって面倒だから置いて行こうかなと、毎朝思います。

ですが、今日は私の持っていたカメラがきっかけで会話が始まりました。

カメラを持っていると、こんなこともあるのだと嬉しくなりました。

その後は歩いて本屋さんへ行きました。

本屋さんには犬がいます。

本を買いに行ったのではなく、犬に会いに行きました。

久し振りの犬、可愛かったです。

お昼は茶蘭花でカツカレーを食べました。

茶蘭花でもお客さんとお話ししました。

シェアハウスにこもっていると寂しいのですが、外に出ると誰かと話せるのが嬉しいです。

一人で寂しくなったら、また来ようと思いました。

バスが来るまで時間があったので、隠岐神社へ行ってお参りをして松ぼっくりを拾いました。

松ぼっくりを拾うなんて小学生以来でしたが、一人で拾っても楽しかったです。

11月15日(金)

今日はとっても嬉しいことがありました。

藤尾さんに誘われて行ったスナックで偶然、大学のサークルの先輩に出会ったのです。

今日会った真菜さんとは3年前に一度会っただけなのですが、私がまた会いたいと思っていた人だったので本当に嬉しかったです。

私が海士に来る決断をしたのは就活がきっかけですが、就活は単なるきっかけに過ぎず、大本の原因はそれまでの大学生活にあります。

今まで、そのことを誰にも話せずにいましたが、真菜さんに会ってバーッと一気に話してしまいました。

真菜さんと会えて、話ができて嬉しかったです。

自分が会いたいと思っている人と、まさか海士で出会えるとは思いませんでした。

ワーホリ先を選ぶ際、全く場所にこだわりが無かったので雑に決めました。

でも、今日のようなことがあると、たまたま海士を選んで良かったと思えます。

明日は藤尾さんが東京へ発つ日です。

明日の朝も起きなければならないのに、スナックから帰って一緒に映画を見ました。

この時間も今日で最後です。

そろそろ寝ようと思ったら、藤尾さんは歯磨きをしながらこたつで寝ていました。

最後まで面白い夜でした。

11月16日(土)

今日は藤尾さんが東京へ出発する日です。

本当に行ってしまうのか実感が湧きませんでした。

海士から大学へ通うときのように2日後には戻って来そうな感じがします。

あとどでの清掃が終わってから、藤尾さんと昼食に漬け丼を食べました。

私が海士に来たばかりの頃にも二人で漬け丼を食べたなと思い出しました。

その頃は、それから先の5ヶ月が不安で、藤尾さんともここまで仲良くなれるとは思っていませんでした。

普段は何も考えず、何でも無いことをいつまでも話していられるのに、あと少しでお別れなのだと思うと何を話して良いのか分からなくなってしまいました。

「あと2時間だね」「あと1時間だね」とかそんなことしか言えませんでした。

フェリーに乗った藤尾さんを皆で見送っても、フェリーが見えなくなっても、藤尾さんが東京へ行ってしまったという実感は湧きませんでした。

またすぐに戻って来そうな感じがして、全く寂しくありませんでした。

藤尾さんが私に手紙を書いてくれたのですが、読んだら悲しくなりそうで読みたくありませんでした。

夜になって、やっと手紙を読んで泣きました。

また会えるから手紙とかプレゼントとか必要ないと思っていましたが、読み終わってすぐ藤尾さんに長文LINEを送りつけてしまいました。

ワーホリをやっている遠い場所というだけで海士にたどり着きましたが、海士を選んで本当に良かったと今は思います。

藤尾さんに出会えたことはそう思える理由の一つです。

藤尾さんの重い病、私にも移ってしまったかもしれません。

11月17(日)

今朝のフェリーで真菜さんが帰りました。

お見送りは出来ませんでしたが、出発前に少し会うことができました。

ずっと誰かに言いたかったのに言えなかったことも話せて、嬉しかったです。

この縁を大切にしようと改めて思いました。

午後には今年の夏、ワーホリに来ていた羽切さんとその友達がやって来ました。

昨日藤尾さんと別れて、今朝真菜さんと別れて少し寂しかったので、今日は新しい出会いがあって嬉しかったです。

今日から気持ちを切り替えて頑張ろうと思いました。

が、キンニャモニャセンターの清掃をしながら、藤尾さんのことを思い出して何回か泣きそうになりました。

これは駄目だと思って持ちこたえましたが、ネガティブなことばかり考えて暗い気持ちになりました。

今日は一段と暗いです。

しかし、気持ちが暗いと上手くいくことも上手くいきません。

これからは明るく寂しがるようにします。