交換日記

第3回離島と離島の暮らしの比較研究「たばこ」

いっしーさんへ

 

久米島と海士町の文化や人柄の違いが、その土地で栽培される作物の違いによって形成されるかもしれないというのは面白いですね。確かに、隠岐の他の島の人たちからも「海士町は結束力が違う」と実際に言われたことがあります。「農耕民族だから」と海士町の人が言っておられるのを聞いたことがあったのですが、同じ農業でもサトウキビと稲作で違いが出ることも新しい発見でした。

 

また、同じことを感じる時間や要素が多い時に「仲間感」が醸成されるというのも体感をもって納得ができます。いろんな現場に出向き、そこで働く人達と同じ時間を過ごし、同じ作業を重ねるマルチワーカーには確かにそんな楽しさを感じていました。

 

ここ数カ月、僕は仕事上、一人でいる時間がものすごく長いです。というか、ほぼ一人です。だから改めて「民宿や飲食店を営んでいる人って偉いなー!」と日々考え事をしながらサボってばかりいます。ひとりで仕事をしようとしても、なかなかはかどらず、最低限やらなきゃいけないことだけを時間ぎりぎりにやってしまっています。

 

1人で考え事をしても動き出してみるとよく空回りするし、すぐ燃料切れを起こしちゃいます。多分、これって「無為」な状態ではないのかも。無為な状態って人と話をしながら考えるよりも先に言葉が出てくる、そんな状態なんじゃないかと思うのです。

で、言葉にした以上実際に行動にしてみて、また確認してっていう繰り返しがやれるといいなーと妄想ばかりを繰り返してます。

人と話をするって、その人の時間を奪っちゃうようで怖いですし、伝わるかどうか分からない話をするのって無駄かもしれない時間じゃないかなって思うこともあるんですよ。

それでも話ができる関係性とか、自然体でいれる関係性をもった他者がいることが遊びも仕事も充実させてくれるんじゃないかと。

 

マルチワーカーやってた時は、だいたい10時と15時に休憩がありました。仕事から離れて同じメンバーでガヤガヤ話をしてると本当に自然に仲良くなります。作業を全員中断して休憩をとる。流れ作業で集中していた仕事から離れて、「個」にかえっていく瞬間が無為になる瞬間だったのかもしれません。

仕事を覚えると段取りの話にも首を突っ込むことができて、いつの間にかチームの一員になってました。農業は1から10までやったことがないのでわかりませんが、海士町で言うところの「たばこ」時間はいい時間でした。日常的な会話から、仕事や暮らしに対して少しずつ工夫してみようとか、どうやったら楽になるだろうかとか、そんな具体的な悩みになっていないものでも人に話してみるって言うのが大事な気がするんです。たばこ休憩はそんな時間でした。

 

あの頃を思い返すと、毎年同じことを同じメンバーで繰り返しても「仲間感」は生まれない感覚を持ってしまいます。

そんな経験を思い返して、1人だと甘えちゃう人間にとっては、誰かと一緒に過ごしながらも気が休まる時間がつくづく大切だなーと実感する今日この頃です。

 

とりとめのない文章ですが、最近の自分の暮らしから思うことはこんなことですっていうことでこの辺にしておきます。

 

芦原 昇平