第38回あいうえお色日記

「ようこう」

洋紅。ようべに。
梅の花が咲き始めた。

先日広島へ旅行に行った際に撮ったものだ。

原爆資料館の前にあった梅。
70年ちょっと前は悲惨な状況だったこの土地にいまはこんなにもうつくしい梅が咲くのかと、月日の流れや人々の努力に畏敬の念を抱いたのだった。

ワーホリに行ってから、
旅行が以前に増しておもしろい。

ぼんやりと、遠くの、無関係のものとして見ていた知らない土地が、
いまは他人事じゃなく見える。

その土地の歴史、くらし、気候、雰囲気がすべて現実のものとして、より自分に近いものとして、映るようになった。
うれしくて不思議な変化だ。

「旅」は流行っている、と思う。
学生に旅を勧める団体をよく目にするし、
「旅するように○○する」シリーズもだいぶ増えた。

なぜそんなに旅をしたがるのか。
何かを「旅するように」したいと思うほど、旅はいいものなのか。
(個人的には好きだし、いいものだと思う)

「旅=世界が広がる、たのしい、成長できる」
という、だれも疑わない、ポジティブなイメージ。

否定はしない。
けれど、安直に旅、旅、言われるともやもやしてしまう。
行きゃいい、見りゃいい、ってものでもないでしょう。なんて、
ちょっとひねくれたことを思ってしまったりもする。

外を見て刺激を受けられるのは、
基盤となる自分、があるからだと思う。

少なくともわたしの場合は、
よそと比べられる自分の価値観や歴史、くらしがあるからおもしろい。

そこがないと、きっと、
旅の持つ、あのポジティブな力は半減してしまうだろうと思う。

人それぞれで義務でもなんでもない。
押し付けはできないし、
するつもりもないけれど、
ただ、わたしは、最近そう考えるようになったのだ。

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