日記

森島日記1

10月7日(月)

今日はイベントの案内の手紙を届けるために、島中をぐるっと回りました。

朝からずっと初めて会う人、知ること、見るものの連続で全てが新鮮でした。

漁港で働く人、岩牡蠣の生産、塩の工場、ホテルで働く人……。

今日はたくさんの「初めて」と出会ったので、その分忘れてしまうことも多いと思います。

そう考えると、何だかもったいなくて残念な気もしますが、忘れるものは忘れます。

そこで、忘れてしまうからこそ、日々いろいろなことを吸収して更新していくことが必要なのだと考えることにしました。

そうすれば毎日前向きに新しいことにも飛び込んで行けそうです。

私は新しいことに飛び込むとか、何かが変わることが苦手です。

自分が知らないことや「変化」というものを得体の知れない恐怖として捉えてきたからだと思います。

でも、その得体の知れないものの中には楽しいことや面白いことも混ざっているはずです。

これまでの私は、変化やチャレンジをできるだけ避けることによって安心感を得る一方で、楽しいことや面白いことと出会う機械を捨ててしまっていたのかもしれません。

昼食は隠岐牛の焼き肉を食べました。

初めての隠岐牛、とても美味しかったです。

美味しいものを食べるって幸せです。

新しいことが全部これくらい幸せならいいのになあ。

10月8日(火)

海士に来る人たちは何に惹かれてたどり着くのでしょうか。

今日は離島ワーホリについて説明してもらいました。

離島ワーホリのゴールは島に移住してもらうことではなく、海士をきっかけに人とのつながりを広げてもらうことだそうです。

海士に来てから毎日、人との出会いがあります。

せっかく出会いがあっても、距離が離れてしまうことによってつながりが切れることもあります。

しかし離島ワーホリは、ワーホリ後に帰ってからも海士に遊びに来る人がいたり、東京で同窓会を開いたりもしているそうです。

来る前は、ワーホリ期間中にいろいろな人に出会えたとしても、その後移住でもしない限り海士の人たちとのつながりは切れてしまうのではないかと思っていました。

しかし、海士に来て人と会ったり、これまでのワーホリ生の話を聞いたりして、自分が望めば距離が離れても時間が経ってもつながり続けられるのだと感じました。

離島ワーホリに参加する理由は人それぞれです。

島という環境、きれいな景色、新しいものとの出会い。

惹かれる魅力はいろいろありますが、人とのつながりというのも大きな魅力の一つだと思います。

10月9日(水)

今日は初めて「海中展望船あまんぼう」に乗りました。

船はあまり乗ったことがないので、酔いそうで心配でしたが、乗ってみたら楽しくて全く酔いませんでした。

船からの景色はとてもきれいです。

初めて生で見る無人島、遺骨が眠る島、三郎岩、日光が反射してきらきらした海など眺めが最高でした。

そして、階段で船底に降りると窓から海の中が見えます。

水族館の水槽ではなく、自然の海で魚が泳いでいるところは初めて見ました。

写真も撮ったのですが、やっぱり自分の目で見るのが一番だと思います。

今日は海の中がきれいに見えて、魚もたくさん見られましたが、天候によっては船が出せなかったり、水が濁って見えづらかったりということもあるそうです。

海士の人たちは普段から自然を近くに感じながら生活しています。

波が高くなると船が欠航し、お客さんが来られなくなってしまうし、島からも出られなくなる。

船が出ないと島への物資が途絶え、商店から品物が消えていく。

漁師さんも船が出せず、魚が捕れない。

それでも自然と上手く付き合って働き、生活しています。

島の人にとっては当たり前の生活も私にとっては新鮮で面白いことばかりです。

10月10日(木)

今日はワーホリ生の菊池さんを見送りました。

私が海士に来て初めて会ったワーホリ生です。

会ってから数日しか経っていないのに、もっと長い間一緒にいたような感じがしました。

シェアハウスで生活する間にいろいろな話をしたり、一緒に出かけたりして短期間で一気に距離が縮まりました。

フェリーが出港するときに紙テープでお見送りしました。

初めての紙テープがまさか見送る側になるとは思いませんでした。

段々小さくなっていくフェリーを見ていると、本当に帰ってしまうのかと少し寂しくなりました。

しかし、また会えるという気持ちが大きかったので、お別れ自体は悲しくありませんでした。

言葉にすると、海士で数日間一緒に過ごしただけの関係ですが、私にとってはその数日間がとても濃いものでした。

菊池さんを見送った後、菱浦港の近くをブラブラしてみました。

少し歩くだけでも初めて見る景色、場所がたくさんあって毎日楽しいです。

今日のお別れを経て、これから海士へ来る人との出会いも楽しみの一つになりました。

10月11日(金)

今日は初めてリネン工場での仕事でした。

リネン工場では、ホテルや島宿のシーツやタオルを洗い、乾燥させ、大きなアイロンを使ってシワをのばし、丁寧に畳みます。

私は、2人でシーツの端と端を持ってアイロンをかける作業をしました。

シワができないように、ひたすらシーツをアイロンの機会に入れていくというものです。

同じ作業の繰り返しですが、毎回2人でタイミングを合わせながら行っていると、一回一回違う作業のように感じられました。

仕事中、このシーツをお客さんが使うのだと思うと自然と作業が丁寧になります。

直接お客さんと接する仕事ではありませんが、海士の観光業の支えになる仕事ができるというのが嬉しいです。

夜は学習センターへ行って、商品開発ゼミの高校生が作った「あかもく丼」を食べました。

海のゴミとされていた海藻、あかもくをもっと皆に食べてもらうためにあかもく料理を開発しているそうです。

あかもくはシャキシャキ、ネバネバした食感で美味しかったです。

あかもく丼を食べながら高校生とお話しました。

初めて会う私ともフレンドリーに話してくれて、楽しかったです。

実は、一緒にシェアハウスに入っている藤尾さんが通学のため島外へ行ってしまい、しばらく寂しくなると思っていたのですが、この調子なら心配なさそうです。

10月12日(土)

今日は台風の影響で仕事が休みになりました。

海士に来て初めての台風で外に出るのも少し怖かったので、シェアハウスにこもっていました。

テレビをつけて台風のニュースを見ていると、家族のことが心配になって連絡してみました。

連絡を取っている最中は楽しかったのですが、その後距離を感じて一人を実感すると何だか寂しくなりました。

一人になるとそう考えることもありますが、海士での5ヶ月はあっという間だろう思います。

だからと言って焦るのではなく、毎日の出来事や自分が思ったことを一つ一つ大切にして、少しずつ自分を知っていきたいです。

今の私は自分がどういう人間なのか自分でもよく分かっていません。

5ヶ月後に、自分はこういう人間でこういうことを考えていると、はっきり言えるようになるのも目標の一つです。

夜、そろそろお風呂に入ろうと思っていたら、まさかの停電。

停電の心配など全くせず、お風呂に入っていなかったことを後悔しました。

今回は、すぐに復旧しましたが天気が怪しいときは早めにお風呂に入るべきだと学びました。

10月13日(日)

今日もリネン工場での仕事でした。

今日はホテルや島宿の浴衣をたくさん畳みました。

畳み方や畳むサイズが決まっていて、シワ無くきれいに畳むのに一つ一つ時間がかかります。

私は慣れない仕事をして上手くできなかったとき、早く慣れてもっと効率良くできるようになりたいと思います。

仕事に慣れるまでは大変ですが、上手くできるようになることやその後、余裕ができて自分なりの工夫ができるようになることが楽しいからです。

ワーホリの5ヶ月では、いろいろな仕事をさせてもらうので、一つ一つの仕事にかけられる時間はそれほど長くないと思います。

その短い時間の中で、仕事の違いや共通点を楽しみながら一つ一つの仕事のスキルを身に付けていきたいです。

夜、ごはんを作ろうと買い物に行ったら、商店で天ぷらを頂きました。

商店に行くといつも何かもらっています。

海士へ来たばかりの私のことを気にかけてくれる人たちがたくさんいて、楽しくて温かい1週間でした。