海士とわたしの20日間〜スペシャルダイジェスト〜

※「滞在エッセイ」のつもりだったんですが、「海士町に行こう」っていう話に帰結します。

はじめに

何を書こうか決められないくらい書きたいことがある。困る。

何を書こうか決められないので羅列していこうと思う。
滞在中は飲みの席にご一緒させていただいたり、多くの人と関わらせていただいた。
だけど、残念ながら私はあんまりお酒で賑やかになれるタイプではなかったので、あまり喋らなかったように思う。もしかしたら、滞在で関わった人や一緒に飲んだ人は、これを読んで「あいつ、こんなこと思ってたのか!」なんて思うかもしれない。
多くは語らないほうが魅惑的でそそられるってことで許していただきたい。

 

「東海道中膝栗毛」にも、「おくのほそ道」にもなれない私の話

三年ぶりの夜行バス。

お盆休みの交通機関の混みを完全になめていた私に交通手段の選択肢は夜行バスしかなかった。一般的な行き方は飛行機か新幹線と特急を使う行き方だ。
そして、米子から海士町に行くには七類港か境港からフェリーに乗る必要がある。
フェリーは一日に何本もあるわけじゃない。
私は結果的に、海士町にたどり着くために夜行バスで一泊、米子で一泊の計二日もかけることになった。
しかも、海士町には三週間も滞在する予定だ。
正直、三姉妹の末っ子で甘やかされて育った私には、この長い長い道のりがちょっと不安だった。
でも、夜行バスの運転士さんが二人ともスキンヘッドで笑えてきた。
そんなこんなで4回のトイレ休憩の末に無事に翌朝、鳥取についた。

ちなみに、鳥取に朝8時くらいに着いて、お昼には米子にいたのだけど、米子が退屈すぎて、電車で40分くらいの境港に行ってみた。
水木しげるロードで仲睦まじい大学生のカップルに舌打ちしながら、炎天下の下を歩いた。美白もリア充も、もうここで諦めた。
あと、米子のホテルの寝心地、最高だった。そんな話はどうでもいいか。

私の文章はすぐに脱線する。大目に見てほしい。
それは、さておき。
それじゃあ、次はお待ちかねの島(海士町)に向かう。

 

海士町に「着くまで」と「それから」の話

フェリー3時間は長くて短い。
お盆でフェリーの室内は人で溢れかえっていたので、私は外で3時間過ごした。風が冷たくて気持ちいい。離れてく本土をInstagramのストーリーにのせて、1人でニヤニヤした。
海と空の青が凄く綺麗で、スマホでもデジカメでも写真を撮りまくっていたら、1人のおじいさんに声を掛けられた。しかも、その人は海士町出身。(実は、この人とは海士町滞在中に再会した。)
とにかく海士町のあらゆる情報を喋り続けてくれた。
島のホテルのこと、高校のこと、お盆の時期は島の人口が倍になること。
辺りを見渡すと、小学生にもならない小さな子供の手を引いている大人がたくさんいる。本土に出た若者が子連れで帰省するのだ。とてもほっこりした。
それから、その人は、どんどん近づく海士町を見ながら「変わらない景色が嬉しい」と言った。
なに、このドラマみたいな台詞!!私は1人で勝手に盛り上がっていた。
調子に乗った私は1枚だけ写真を撮らせてもらった。

そして、菱浦港。海士町に到着。観光協会の人が出口で待っていてくれたけど、私のことは気づいてくれなかった。だから、勇気をだして私から声をかけたのを覚えている。
そういえば、この観光協会の人が「ここ(島)で暮らすと、都会で暮らすよりも四季の移り変わりを肌で感じることが出来るよ」って言っていたのを今更ながら思い出した。
私はちゃんと感じられたんだろうか。
秋のはじまりはわかんなかったかも。でも、夏が終わっていくのは凄く感じた。
海も入ったし、スイカも食べたし、花火もした。
線香花火ってなんであんなに人を感傷的にさせるんだろう。
楽しいのになんだか寂しかったな。

そうそう。到着して、まず、したことはお昼ご飯を食べること。
ターミナルにある船渡来流(セントラル)亭でお昼ご飯を食べた。
このとき食べたシャキシャキ丼は帰る前日にもう一回食べた。
それくらい新鮮で美味しいんだな。これが。絶対、食べたほうがいい。

その日と次の日は盆踊り。幼稚園の頃ぶり。
つまり、14年ぶりに盆踊りを踊ったってことになる。
熱かった。笑った。笑った。楽しかった。
踊った後に、地元のおじちゃんたちがくれたキンキンに冷えたぶどうジュースが最高に美味しかったのを覚えている。

 

島じゃ常識な話

私は島のターミナルにある常識商店で3週間働かせてもらった。
勤務時間は午前9時から午後4時まで。
12時から午後1時までのお昼休憩には観光協会の江波さんが作ったお昼ご飯が待っていてくれる。東京に戻ってきた今、江波さんが作ってくれたトマトの入った味噌汁がとても恋しい。

具体的になにをしたかというと、目玉の仕事はソフトクリームづくり。
ソフトクリームがとにかくよく売れる。ソフトクリームの渦を巻くのが難しかった。
なんで、大学の学食の機械で練習しなかったんだろう。
失敗したのはちゃんと業務の後に自分とインターンの仲間で消費した。美味しかった。
海士の可愛いお姉さんたちの手作りのシフォンケーキと一緒に食べると2.5倍美味しいので、海士に行ったら、是非、やって欲しい。
それから、煙草もよく売れる。煙草に関しては無知だったが、帰る頃には大体覚えてしまった。
東京に戻ってきてから、「このコンビニにはセブンスターの取り扱いがないんだ」とか、道端のLARKの空き箱をみて、「あの人、買ってたなぁ」ってしみじみしてしまうくらいだ。

ここで働くことができたおかげで、観光協会や隠岐汽船、海士交通の方々をはじめ、たくさん島の人と関わることが出来た。
「今、お茶買っていった人が○○さんの旦那さんだよ」なんていうこともちゃっかり教えてもらったりして。
かけがえのない「繋がり」をくれたこの職場に、感謝の気持ちでいっぱい。
午前11時のティータイムの紅茶のクッキーの味はずっと忘れない。
大好きだ。

 

「またね」の威力は凄い話

この島は日中働いてからの夜がこれまた楽しい。
海士町に滞在するならスナックには行かなきゃ損だ。
よく飲み、よく語り、よく笑う。

スナックで印象深いのは、島で唯一のホテル「マリンポートホテル海士」の代表取締役社長である青山さんの大学時代の友人が海士町に訪れた夜のこと。

このご友人。現在、「子ども哲学」なるものをやっているそうで、今回は「経営合宿」として観光のあり方を学びに海士町へ来たという。
このご友人と青山さんの再会の席に、恐縮ながら同席させていただいた。
一次会はマリンポートホテル海士でお食事ということだったので、行ってみたらあらびっくり。海士町で様々な分野で活躍する大人がたくさん来ていた。正直、ここにいていいものかとおもったくらいだ。
それでも、大人の皆さまのお気遣いもあって、しっかり、ちゃっかり二次会のスナックまでご一緒させていただいた。

スナックに行くと、お酒の力もあるとは思うが、雰囲気がホテルよりもラフになった。
そこでの時間のことをとてもよく覚えている。

1人でジョッキ片手にずっと歌い続けている人がいる。
いつも学生の面倒を見てくれている大人が、恋愛事情について周りに聞かれ、小さくなっている。
隣のテーブルでは次世代を担う若者がこれからの海士町の未来のためにと学んだ福祉について熱く語っている。

その「場」は、間違いなく大学時代に出会った2人がつくった「場」だった。それぞれ強い意志をもって人生を歩いてきたからこそ、一見交わらないような道が、ふとしたきっかけで交わってできた「場」。そして、また、この「場」が、新しい誰かを巻き込んで、新しい道を作っていくのだ。そう思って、胸が熱くなった。

でも、楽しい時間はあっという間だ。最終のタクシーが11時45分。
ちょっと物足りない。この時間が終わるのが惜しい。と、飲み会の終わりには思っていた。
だけど、たぶん、ちょっと物足りないぐらいが丁度いいのだ。
「じゃ、また!」って次の約束ができるから。

誰かに言われる「またね」の威力は凄い。

上手く言語化できないけど、強いて言うなら、スキップしたくなる。
楽しい時間を共有できたということの証明になるからかな。すごく嬉しい気持ちになる。

そういえば、この滞在で「さよなら」で終わった出会いはなかったような気がする。
それって、すごい、あったかい。

 

SAKIの話

衣食住の話はやっぱり気になるはず。
ということで、「住」の話として、3週間滞在した地区の話を書こうかなと思う。
この島には14の地区がある。
私たちインターン生が滞在させてもらったのは「崎」という地区である。
島の地区対抗綱引き大会で4連覇中。たぶん、島で一番義理人情に厚い地区。
アポなしでビール片手に話したい人を訪ねてよし。朝まで語ってよし。
廃校になった小学校を集合場所にBBQをしたり、バンド活動だってする。
このバンド、とにかくジャンルを問わない。
わたしはこのバンドがやる長渕剛がお気に入りだ。
秋葉原のアイドルの曲ばかりをヘビーローテーションしてないで、たまには長渕剛も聴いてみようかなって思った。

長渕剛の曲があれば、どこにでも行ける気がする。

 

最高密度にアオイナツの話

あお‐なつ【青夏】
1.青春よりも、もっと青くて熱い時間
2.『別冊少女フレンド』で連載されていた南波あつこの漫画作品

そうそう。崎の皆さんとワイワイしたあとに、インターンの学生同士で夜に海までお散歩するのが最高に「青夏」だった。おすすめ。
たぶん、いつもよりちょっと素直な自分になれると思う。
「なんか声が聴きたくなった」って理由で電話はしていい。

帰る前日に、心が最高密度にキラキラになった、とっておきのエピソードがあるのだけど、書くのが惜しいからやめておく。
だから、もう、ここらへんで終わりにしようと思う。


 

まとめると、特別だけど特別じゃない。同じ空の下だよな。って話。

ちょっと尻切れトンボな感じがするけど、もう上手いまとめ方が分からないので、最後に、3週間の滞在を終えて、時間が経った、今の私の考えを書くことにする。

失礼かもしれないけど、海士町を訪れるきっかけは何でもいいのでは?と思っている。
理由なんかなくてもいいと思うし、後付けでもいいと思う。
それに、理由は、あとから、案外簡単に見つかったりする。
地方創生とかまちづくりとか夢のためとかがあれば、もちろん立派だけど。

大学を休学してるヒト。自分には何もないと涙を流すヒト。自信が欲しいヒト。専攻が地方創生系だからと来てみたヒト。就活に繋げるために来たヒト。
インターンの学生だけ切り取っても、みんな目的も想いも違って、一人ひとりに色をつけたらきっと、とっても鮮やかだったと思う。
きっとそれぞれ、見えてた景色も違ってたんじゃないかな。

私だって、理由は後付けで、直感で海士町へ行くことを決めた。
だとしても、私はこのエッセイを書きながら、「このエッセイが完成したら海士の人に連絡できる」ってワクワクしている。
おまけに、滞在中は全然浮かんでこなかった「聞きたいこと」がたくさん浮かんできて困っている。
「3週間の滞在は終わっちゃったけど、海士との繋がりのはじまりだったらいいな」と。今はそう思う。

それは、きっと、海士町のヒト、食、景色、時間には、「また繋がりたい」そう思わせる不思議な温かい力があるから。

あーーーーっ戻りたいっ!!!!

あの、特別だけど、特別じゃない20日間に。

心からの「ありがとう」を込めて。

おしまい🌸

 


 

おまけ

「何を書こうか決められないくらい書きたいことがある。困る。」
こんなことを書いたが、そんな滞在になるかどうかは自分次第だと思う。

このページを読んでいる“あなた”はどんな人だろう。
海士町の“あなた”。
インターンでたまたま出会った“あなた”。
このページをたまたまみつけた“あなた”。
これから一歩踏み出す“あなた”。

どんな気持ちでこれを読んでいるのだろう。

「つまんねぇ」そう思った“あなた”。
もう海士町にいくしかない。
海士町に足を運んで、自分で素敵なエッセイを執筆して欲しい。
私はこれを書きながら、自分が少女漫画を読みすぎたロマンチストな頭行っちゃてる奴なんじゃないかっていう気がしてきている。
顔から火が出そうなほど恥ずかしいので、どうか上書きしていってほしい。

興味はあるけど「ちょっと怖いな」そう思った、“あなた”。
「弱い自分に終止符打てよ」なんていうバンドマンの一言が心に響いちゃったなら、一歩踏み出すしかない。今すぐFacebookで「太田章彦」を検索して友達リクエストしよう。
きっと、この人があなたと海士町を繋ぐ窓口になってくれる。

それに、「歩き出さないで変わる景色はない」って誰かが言ってた。

嘘だと思うなら。疑うなら。ネットの記事で知った気になってるなら。

“あなた”も海士町と繋がってみなよ。

なんつって。笑

 

P.S.

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