シリーズ

第22回あいうえお色日記

「にじいろ」

「に」の番がきたらこの色と、

「く」あたりを書いている頃から思っていた。

島に行って虹といったら。

高速船レインボージェット。

これに乗って毎日多くの人が島を出入りする。

迎えるのも送るのも、島の人々は慣れている。

新しい人、に慣れているからか、

島の人は他人をそれほど意識していないように感じた。

つめたいというわけではない。

自分の生活があって、仕事があって、こだわりがあって、

その上での人付き合いが当たり前。そんな空気が感じられた。

あれ、思っていたかんじと違う。

はじめは寂しい気もしたし、ちょっと拍子抜けした。

わたしの過ごしてきた環境では、

新しい場所へ行くとまず自分のこれまでを語り合うのが当たり前だった。

驚いたけれど、心地良く感じた。

これまでをよく知らなくても、

いま考えていることを見てもらえる。

それだけでよく理解してもらえることがあるし、理解できることもある。

対等に、一緒に、いまを過ごせている気がした。

一年じゅう人が出入りする島。

きっと忙しいけれど、

ややこしい説明抜きで、いま思うことを共有できるのは、心地良い。