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第20回あいうえお色日記

「ときいろ」

朱鷺の羽根の一部に似た、オレンジがかったピンク色。

わたしが1ヶ月滞在した崎の朝焼け。

朝はたいてい寒くて眠くて動けないのだが、
天気が良いとがんばって起きて、少し散歩をしたりした。

ここで朝の景色を見るたび、
やさしい、と思った。
(夕焼けを見てもやさしい、と言った気がするけれど)

 
湿気が多いからか、
海士町で見る景色はいつも
やさしく霞んでいる。

色も、音も、空気も、やさしい。

ひとりでぽつんと、ぼーっとしていても
独りだとは感じなかった。
ふしぎな居心地の良さ。

きっといろんなものに酔っていたけれど、
それでも、この景色はこのままで憶えていたいと思った。

今回出会った人も、
そこで話したことも、感じたことも、
体験したことも、食べたものも飲んだものも、ぜんぶ、ぜんぶ。
憶えたままで、もっと頑張りたい。
そう思った。

空高く、悠々と飛び回るとんびがかっこよかった。
寝ぼけたあたまで見惚れたのを、よく憶えている。